空を見上げたなら

やることは　ただ一つ

問いかけ続けること

美しい瞳に映る　水色の世界は

あなた自身

空は　あなたの問いかけに

応える準備が　いつもできている

2022/8/3

流れていく

流されるのではなく

あなた自身が「流れ」なのだから

行き着く先は

きっと　何処でもない

循環する宇宙

2022/8/4

木は、燃えているのだ

本当は

水を抱き、水に抱かれる

炎と水の演舞…

それが

葉や花の、萌える本質なのだ

2022/8/7

木が　まとう光は

たとえ　目隠しされたとしても

あなたの皮膚が　感じ取る

あなたの肌が見る　その光は

あなたを森へと　いざなうのだ

2022/8/9

額に　二つの瘤を持つ　仔猫がいる

この瘤は、角を折られた跡なのだ

立派な角が　生えるはずだった　その可愛い額に

盛り上がった　二本の角の跡

人間の姿に　角の生えた者だけが　「鬼」なのでない

猫の姿で　角を折られた「鬼」もいる

他の動物も　同じかもしれない

角を折られて、外からは見えなくなった

額の盛り上がりが　いまも時折

思い出したように　疼く

おとぎ話で

鬼は退治され、遠くに追いやられたように

私の中の「鬼」もまた

角を折られ

まるで、はじめから

「鬼」ではなかったのごとく振る舞うようになった

仔猫を抱いて、角の跡を撫でてみる

痛くはないかい？

もう一度、生やしてみようか

私と一緒に

鬼の角を

2022/8/15

かくり世の　道なき道を

儚きものの　闊歩する　

唄はば　さざ波

うつし世に　風の吹く日

2022/8/16

これまで

渡ることばかり　考えていた　「橋」だったが

この橋は、誰も渡らない

水を渡すための橋だった

今日、私は

水を思い

この橋を　くぐろう

2022/8/18

女神は　不自由だった

自由は、つかみ取るものではなく

追い求めるものでもない

常に　リリースし続けるところに

現れる状態だと  知っているから

どこにも　つかまらない

だれにも　掴ませない

風となった女神は

ようやく　不自由を手放した

2022/8/19

ほら、見ていてごらん

風が　変わるよ

神々しいほどに　潔く　舞い散る

言の葉の　踊り子たち

僕たちは

変化の　当事者であり、目撃者なんだ

2022/8/20

ドアノブに　おそるおそる　手をかけた君

鍵は、君の腕の中を　伝って降りてくる

まわしてごらん

その指先で

勇気が　鍵穴に滑り込むのを見届けたなら

必ず　ひらくさ

君は　君自身に　問いかけるんだね

knock , knock

” Who are you ? "

2022/8/21

キューブの中は　さぞ息苦しいだろう

ずっと　水底に　沈んでいるようなものだから

君が　疲れ果てているのは

息苦しさの　せいかもしれない

脱出するなら、「今」だよ

2022/8/22

「見ているもの」と「見られているもの」との

交換可能な世界が　開いている

その扉は　

「見る」を超えた場所に　ある

空間の　いたるところに　扉は　ある

手を伸ばせば

足を　一歩　踏み出せば

そこは　もう

扉の　向こう側

あなた　と　わたし

交換可能な　世界の　始まり　

2022/8/24

世界は、君が思っているより　ずっとずっと広い

誰かの後を追うなんて　馬鹿げたことさ

小さな世界を　完成させることで

世界を知り尽くそうなんて、もったいない話だ

未完成こそが　完璧な「完全」の姿　かもしれないよ

だから僕は、絵を描き続ける

唄い続ける

世界の深みに潜る

だから僕は、外を見る

外の世界の　音を聴く

内に籠るのでなく

外に広げるんだ

世界は、本当に　広いのだから

君の世界を　僕にも見せておくれ

君の世界の話を　

もっと　いっぱい　聞かせておくれ

2022/8/26

蝶のキッスを受けて

花は　世界を　反転させる

花が、あなたに

キッスしたなら

もう

「あなた」と　「花」は

どちらが「触れるもの」で

「触れられるもの」なのか

永遠に　わからなくなるはずだ

両方同時、と　答えたくなったなら

Why ? と、問おう

How ? ではなくて

2022/8/29